『そこでマリヤが言った、「わたしは主のはしためです。お言葉どおりこの身に成りますように」。そして御使は彼女から離れて行った。』(ルカ1:38)
2016年12月18日・郡山キリスト共同教会、金井信生牧師による主日礼拝説教
2016/12/18 午前10時30分〜
(12月第3主日・年度第51主日・待降節4週)
マリヤの従順
説 教 金井信生 牧師
聖 書 ルカ1章26節〜38節より
讃 美 新聖歌70
新聖歌67
新聖歌384
交読文 新聖歌46(詩篇第148篇)
説教要旨
救い主キリストの誕生は、神様の救いのご計画のあらわれですが、そのために用いられたのは、マリヤの信仰と従順でした。
1. どうしてそのようなことが
マリヤは御使ガブリエルの告げる言葉に「どうして、そんな事がありえましょうか」と驚きました。まだヨセフと一緒になっていないのにみごもることは、石打ちの刑にされる罪でした。
同じガブリエルは、先に祭司ザカリヤにも現れました(11)。そしてザカリヤ夫妻にも子どもが与えられることを告げました。しかしザカリヤは年をとっていたので「どうしてそんな事が、わたしにわかるでしょうか」と答えました。
こちらの「どうして」は「何の証拠があって」とも訳せます。祭司であっても主の言葉にしるしを求めるほど、信仰が薄れていた時代でした。
2. 神にできないことはない
年老いているとは言え、夫婦であり、アブラハムのように聖書の歴史に例があるザカリヤに対して、マリヤは「どのようにして」と、方法を尋ねました。倫理も自然の法則も超えていたからです。
天使は「聖霊があなたに臨み、いと高き方の力があなたをおおうでしょう」また「神には、なんでもできないことはありません」と答えました。これは全能の神があなたの不安や恐れも含めてすべてを覆い守ってくださるという、二重の「すべて」の約束です。
この励ましにマリヤは「わたしは主のはしためです。」と答えていきます。人間の知恵では理解できませんが、神様の方法があり、神様がそうなさるというなら、お任せしますという決心でした。
3. みこころに従う
また、マリヤは「お言葉どおりこの身に成りますように」とも答えます。マリヤにとっては、数々の説明よりも、「神にできないことは何一つない」という説明で十分でした。神様の力を疑うことよりも、むしろ、その神の業に自分を用いていただくことを恵みとし、幸いとして信仰をもって受け止めました。
マリヤのこの言葉は、イエス様が十字架にかけられる直前に
「わたしの思いではなく、みこころが成るように」(22:42)
と祈られた言葉に通じていきます。
試練や困難の先に神様がおられるのではありません。まず「恵まれている」「主が共におられる」ことがマリヤに告げられました。マリヤはこれをおぼえ感謝し、神様のご計画に従う中で平安を得、主の栄光を拝したのです。